指数関数の話

未来予測をする上で、線形(等差数列)か、指数関数的(等比数列)かという考え方は非常に重要である。それは、世の中の現象を「掛け算・割り算」で考えるのか「指数算・対数算」で考えるのかという違いである。

●思考実験
ちょっと鏡っぽいような半透明の窓を想像しよう(マジックミラーですね)。
その窓に、外から100の光が入ってきて、20跳ね返って、残りの80が、あなたの居る部屋の中に入ってくると仮定します。

その窓を二重にしましょう。

外から100の光が入ってきたら、二重の窓の内側に居るあなたには、一体いくつの光が入ってくるでしょう?


考え方①:窓は固定値で20の光を跳ね返す
この場合は100-20-20=60だけの光が内側に突き抜けてくると考えられます

考え方②:窓は80%の光を通し20%を跳ね返す
この場合は100×0.8×0.8=64だけの光が内側に突き抜けてくると考えられます



....さて、どちらが正しいでしょう。



つまり、足し算(マイナスの数の足し算)の繰り返しなのか、掛け算(0.☆倍)の繰り返しなのか....という観点。


今、私は「鏡っぽい半透明の窓(マジックミラー)」と仮定したけど、これはもっと仮定を応用できます。例えば「光の吸収」です。

例えば海の水を水深5mmずつ、窓が積み重なっていると思考するならば、二重窓は水深10mmの地点、三重窓は水深15mmの地点に差し込む光....と現象を繰返して予測出来ます。

だから、考え方①(固定値の引き算を繰り返す)を取るか、考え方②(固定値の掛け算を繰り返す)を取るかで、その後の三重窓、四重窓と水深が深くなるにつれて、考え方の予測がどんどんずれていく。窓が1枚、2枚の時にどうなるかを考えておく事には価値があるんです。


....さて、反射と吸収混ぜて話をしてしまい、少々混乱したかもしれませんが、結論、自然界の現象は考え方①(固定値の引き算を繰り返す)と②(固定値の掛け算を繰り返す)のどちらが正解かというと、、、、、


実は考え方②なんですね。
掛け算の繰り返し!


★この世の現象は、掛け算割り算(足し算の繰返し)よりも、指数・対数的な感覚(掛け算の繰返し)で出来上がっているんです。


これは実験事実から立証する事も出来るけど、もう少し、思考実験を続けても経験から分かる筈です。
少し考えてみましょう。



さきほどの話に戻って、20という「固定値」を跳ね返す窓だったら、たとえば300の光が外からやって来たときも同じように「20」引くから、280内側に届く事になる。
...これは何か経験的におかしいよね。前提(入射光の眩しさ)を変えても、現象(反射は固定値)が変わらない....おかしい。


100の光で20遮るんだったら、300の光がきたら60遮りそうやん?


数式で喋れば
100:20=300:60じゃん!

つまり、「届く光の眩しさ(光強度)に関係なく、一定の割合で光を遮る」というのがマジックミラーの性質だ!(経験的理解)


ある1つの現象を観察したときに「一定の数値」ではなく「一定の割合」でやり取りされていると観るのが自然。これが繰り返されるからこそ、世の中は指数関数的に動いていくのです。


(まぁ、本当に厳密な話をすると、300じゃなくて、たとえば、桁違いの1000億の光がきても20%(200億)跳ね返せるかというと、それは、窓が溶けてしまうんじゃないかという事もある。光ビームで溶ける。。一定の割合で跳ね返せるという性質が、どんな前提(強い光)にも成り立つわけじゃない。ここが理想的な仮定と現実的な物性の壁。でも、ある程度の範囲では「一定の割合で跳ね返す」と予測できそうねって話)


さて、、、ここから具体的に光吸収の法則(ランベルトベール則)の話をしたいんだが、、、、今日はここまでにしよう。
実は、まだ俺の中で分かりやすく伝えられる自信が無いんだ。もう少し考えさせて。。